こけし修行記

10周年を迎えました

7月1日は、私佐藤英之にとって特別な日でした。

ちょうど10年前の6月30日に、大阪で勤務していた会社を退職しました。
こけし家業を継ぐ決心で故郷福島へ旅立ったのが、10年前の7月1日だったんです。

あれから10年。いろいろな事がありましたが、こけしに向かう気持ちはまっすぐに来ることができたと思っています。また10年経ったときに、より成長した自分に出会えたらいいですね。その時にどんな作品を作っているのかも楽しみです。

いつも応援してくださっているみなさん、ありがとうございます。
これからも頑張ります(^ω^)

平成24年のご挨拶を申し上げます

木地処さとう 平成24年のご挨拶

 みなさま新しい年をいかがお迎えでしょうか?

昨年度は大変な震災を経験しましたが、多くのみなさまの支えのおかげで、木地処さとうは家族元気で新年を迎えることができました。


 本日は、新しい年のご挨拶とともに、木地処さとうの今後の方針についてご報告申し上げます。

 昨年の東日本大震災を機に、福島県いわき市から群馬県渋川市へ一時移転してもうすぐ10ヶ月となります。本当にたくさんの方に助けられ、支えられ、「絆」を強く感じる日々でした。

 私たちは3月頃をもって、福島に引き上げることにしました。
福島はようやく仮設住宅やガレキ撤去が進んだくらいで、今年は復興というよりは、本当の意味で震災で受けた傷と向き合う年になるのではないかと思います。

 私たちの福島の工房も、いたるところにダメージを受けていて、補修なども多々やらなければいけないことがあります。

 ですが、震災で学んだこと、一時移転した群馬県で学んだこと、そして私たちが脈々とつないできた100年の歴史をよく振り返り、一歩一歩進んでいくつもりです。

 100年の歴史の中にはこんなことがありました。
私たち木地処さとうは、第二次世界大戦という戦災を経験しています。
その当時は初代佐藤誠だけがこけしに従事していたのですが、終戦の少し前まで、福島県いわき市で「佐藤木工所」という大きな工場を経営していました。終戦間際には、ほとんど軍需工場となっていたようです。

 終戦間際、佐藤木工所はダミーの飛行場にするという悲しい目的で買収され、なくなってしまいました。
昭和元年創業の佐藤木工所は昭和20年頃に倒産ということになり、その後佐藤誠が復活を誓って移転したのが、群馬県前橋市群馬総社町でした。

 佐藤誠の群馬での仕事は、昭和30年頃まで続いたようですが、その頃は近代こけしの誕生時代。
群馬の木地業は小田原から伝わってきていましたが、近代こけしの誕生に佐藤誠が一役買っていたことは間違いないということがわかりました。

 そのことも、群馬に来なければ私たちには調べようがないことであって、私たち自身、自分達の歴史を再発見した感動がありました。

 私たちの初代は、そんな辛い時代をたくましく生き抜いた。
私たちもしっかりとこの震災から復活しなくてはいけないと思います。
これからもみなさんに応援していただけたら、きっと早く復興できると信じています。
 今後とも、木地処さとうをよろしくお願いいたします。

木地処さとう三代目 佐藤英之

さくらんぼ

赤城山の山荘。庭の桜の木に、なんとさくらんぼが実った!
まさかさくらんぼだったとは。小粒で少しすっぱいけど、とってもおいしい。
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来れる方は食べに来てください(笑)

いわきに、庭にさくらんぼの木があるという仲間がいた。
でも、実るとすぐに鳥の群れがやってきて、ぜーんぶ食べちゃうって話を聞いていたんだけど、このさくらんぼは毎日2、3羽のムクドリが食べに来るくらいでほとんどが無傷で残ってる。

鳥の数は、いわきの比じゃないほどたくさんいるのになぜか。
赤城山は自然の恵みがたくさんある山なんだと気付いた。

よく考えればいわきの街中には、鳥が食べるものなんてものはそんなにはなくて、きっと住みにくいんだろう。
赤城山には自然に木の実や野菜みたいなものがたくさん育ってる。種が勝手に飛んでいって、豊かな土壌がはぐくんでいるんだろう。

それはこけしに使うミズキにも言えるらしい。先日お世話になってる創作こけしの藤川さんに聞いた話だと、ミズキの種を鳥たちがどんどん広げて、自然にどんどんミズキが育ってしまうんだとか。

30年ほど前、創作こけしの作家さん達が榛名山にミズキを植林したらしい。将来のためにという目的だったようだけど、それよりも自然に増えるミズキが多くて、結局自分達では使わずに競売にかけたそうで。

なるほどね~と思った。そんなにミズキが豊富に取れるなんて、こけし工人には願ってもない土地です。それだけのミズキの産地だからか、乾燥にも適しているらしい。

思えばいわきは海の町だから、ミズキはほとんど取れなかったし、乾燥もとっても難しかった。まだまだ赤城山で学ぶことはありそうです。

津波に遭ったこけし

DSC00855.jpg 先日、いわきに一時帰宅したときに手に入ったこけし。

新舞子という海岸近くに位置する、新舞子ハイツ。
ここには長い間、うちのこけしが委託販売で、お土産に置かれていました。

浜辺から50メートルと離れていない新舞子ハイツには、津波が襲いました。
松林で多少は守られたものの、こけしたちは地震で倒れ、津波に浸ってしまったようです。
でも、流されはしなかったそうで、お返しいただきました。ぜひみなさんにも見ていただきたいと思います。

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津波は泥や油などいろいろな不純物が含まれているらしく、汚れは落ちません。
でも僕達のかわりに津波を受けたと思うとなんだかいとおしくなりますね。

震災からもうすぐ2ヶ月。僕達は避難の旅を続けています。
ふるさとでがんばっている仲間を思うと、切ない気持ちにもなりますが、今はここ群馬県でやることが
あると思っています。もう少しがんばってみようと思います(^^)

東日本大震災に関する記事をまとめました。以下のリンクからご覧くださいね。

赤城山工房への地図

赤城山の工房へ、自動車でお出かけの方へ。
どうやら、自動車のナビゲーションではたどり着けないことが判明いたしましたΣ(゚ロ゚ノ)ノ

住所は以下の通りですが、できればこちらの地図を持っていらしてください。
〒379-1111 群馬県渋川市赤城町北赤城山460-204
なお、時々不在の場合があるので、事前にご連絡ください!090-3122-0102です。

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関越自動車道、赤城インターチェンジからの地図です。
①インターを降りたら、右折。約1キロで信号があります。左折してください。右に直売所、左にコンビニが目印です。
②約5キロ道なりです。途中大きく曲がるところもありますが、直進してください。
地図Aの場所です。芳が沢という地域に入るのですが、曲がるところが重要です。
青木農園さんの、「ブルーベリー狩り」の看板と、
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右折→芳が沢 オーケーコーポレーション入り口 ここを右折です!
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地図Bの場所。その道をさらに2キロほど行くと、右手に木地処さとうの赤城工房があります。
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「佐藤」と裕介さん直筆の看板があります。
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ここを目指してきてください。
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くれぐれも道中はお気をつけていらしてくださいね(^ω^)
ぜひ前もって来訪日時をお知らせくださいませ。
メール:info@kijidaruma.com
電話:090-3122-0102

赤城山の工房ができてきた

壁のない、わが赤城山の工房をご紹介して1週間。

男手3つで作業を続け、ようやく形になってきたのでお見せします!
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ずいぶん変わったでしょ!?なんと部屋が二つになりました。
左側のロクロがある部屋には藤棚の形跡が見えます。

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なんと扉がついたんです。もちろん壁も貼りましたよ。
集った材料の9割は、廃材です。少しはホームセンターで買ってきました。

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隣の部屋は、おなじみの丸のこがあります。ここで木取りという作業を行うことができるんです。
この丸のこは、応援してもらってる藤川工芸さんにお借りしたもの。
これがあると助かるんです~!大きな原木をある程度の大きさに切り出す作業を木取りというんだけど、
それがすぐできる環境までになるとは思ってませんでした。

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今日は誠孝さんが作業中。音楽を聴きながらノリノリです(笑)
ようやく仕事ができることでうれしいんでしょう。

ここ1週間で、工房つくりばかりしてたわけではなくて、少しだけど製作もやってました。
裕介さんは結構こけし作ってるんで、近いうちご紹介することになると思いますが、
今日は誠孝さんと、英之のこけしけん玉を何点か販売開始しました!

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誠孝作・白水こけしけん玉。他、英之作だるまけん玉もあります。
詳しくは、赤城山の作品からご覧ください。


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これは赤城山の作品ではありませんが、いわきで作った英之作こけし。今日は4点ご紹介しました。
あの震災を乗り越えたこけしですから、そういう意味では縁起物ですΣ(゚ロ゚ノ)ノ
詳しくは英之作伝統こけしからご覧ください。


ではまた赤城山の状況をご紹介しますね。

本式のロクロが動き出す

裏の物置を片付けて、こけしの工房に改造してから2週間。

やはり実演用の小さいロクロでは仕事が限られてしまうということで、本式のロクロを持ってこようと計画を練っていました。

本式のロクロは実演用とどう違うのか?

まずやぐらの大きさが違います。大きさは倍以上あって、しっかり組まれています。
モーターは1馬力だけど、動力の電気を使うので力が全く別物。実演用は家庭の100ボルトです。
わかりやすくいえば、こけしなら実演用は7寸(約21cm)くらいまでしかできないけど、本式のものは最大で2尺(60cm)の大作でも作ることができるんです。正確な細工もできます。

それにしても、別荘で動力の電気が入ってるってこと自体ミラクルだと思いませんか?
普通一般家庭に動力なんて必要ないのに。ありがたやありがたや。

それにはまず場所が必要だってことで、庭にある藤棚がなんとかならないかって話までは先日書きました。
それで、先週オーナーさんの了解を得て、屋根と床をはるところまでできた。

土日にいわきへ一時帰宅してきました。そして本式のロクロ一式を運んできて昨日、組み立てました!
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まだ壁はありません(笑)これがほんとのオープン工房なんちゃって(笑)
壁は近いうちにはるつもりですが、今はだいぶあったかくなったから、気をつければしばらくはこのままでも大丈夫。

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持ってきたロクロは、本店に3台ある本式ロクロのうち、英之専用だったもの。
誠孝さんのロクロは移動不可能なタイプで、裕介さんのはどちらかというと小さい作品向けになっているため、10年前に誠孝さんが作った英之専用ロクロが一番よいということになったんです。

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さあさっそくやってみましたよ。材料は、群馬県産のみずきです!
まだ工房完成には時間がかかりますが、少しずつ出来上がっていくのはとても楽しいです。

赤城山こけし、販売始めました。

赤城山にある、創作こけしの工房、藤川工芸さんにご提供いただいて、群馬県産のミズキで今後こけしを製作することになりました(^ω^)ほんとありがたい。感謝です。

今まで使ってきた木材は、全て東北産のものだった。それ以外のものは考えたこともなかったんだけど、すごくいいミズキ材です。みなさん楽しみにしててください。
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このミズキを使ったこけしは、来週以降に製作が始まります。

その前に、いわきから持ってきた材料で、赤城山こけし工房で作ったこけし7点を販売開始しました!
佐藤裕介作こけしです。
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詳しくは、新しく追加した「赤城山での作品」カテゴリからご覧いただけます。
みなさんぜひご覧くださいね。

赤城山でのこけしができた!

昨日、4月4日。
震災から25日目にして、僕はやっとこけしを作り始めることができた。
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ずいぶんやってないと、勘が鈍るもんです。どうもいつもどおりにはいきません。
でもともかく一つ、仕上げてみることが大事と肝に命じ、無心で作ってみました。

この機会なので、僕が大切にしている道具をご紹介しますね。
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ロクロと、木を削るためのカンナ棒。これはこけし作りではおなじみの道具。
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製作手帳。これはこけしを作る虎の巻のようなもので、僕が独自に書き続けているもの。
これがあれば、今まで作ってきたものは大体作ることができるんですよ。
中身はヒミツですΣ(゚ロ゚ノ)ノ

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筆入れ。こけしは筆が命ですから。実演用に絵を描いておいて、いつでも持ち歩けるようにと思っていたのがこんなときに役に立つとは。

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染料を入れてるビン。ふたにこけしをつけてる。これも実演用にと思ってたんだけど、役に立ってよかった!

そして今日、絵付けをして完成したこけしたちがこちら。
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英之作大野栄治型作り付けくびれ枝梅5寸7分。

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裕介作誠古型ロクロ裾広5寸。

やはりいつも作っているものと比べると、課題が残る部分はあるんだけど、ともかく赤城山での第1作目ができました!


そしてもう一つ。
今の物置では、どうしてもスペースが足らないということで、もう一つ作業場を考えていました。
そこで思いついたのが、庭にあった藤棚。今は使っていないということで、これの周りを囲えばなんとか工房になるんじゃないかと、父が奮闘してます。・・・今のところ工房になりそうもないですが。これがものになれば製作についてもぐっとよくなるんですが。
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またご報告します!

ボランティアけん玉

赤城山に来てから今日で13日目。もうすっかり慣れてきて、少し余裕もできてきました。

昨日の日曜日は、近くにある避難所へ行ってボランティアでけん玉を披露・教室もやってきました!
僕達は恵まれている避難者だから、できることはやらせてもらおうということです。

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NPO法人日本けん玉協会から寄付していただいたけん玉。おととい届きました!
これを使わせてもらって。

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渋川市内では唯一の避難所となっている、ユートピア赤城へ行ってきた。

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合計20人くらいのみなさんが、短い時間だったけどけん玉を楽しみました!
長い避難生活、少しでもリフレッシュしてもらえたらうれしいです(^ω^)