2010年05月

こけしの歴史・佐藤誠弥治郎時代

佐藤誠は、わが木地処さとうの初代であり、僕にとっては祖父にあたる。

木地処さとうの歴史を知っていただくためにも、佐藤誠の生い立ちは重要なので、何回かに分けてご紹介して行きたいと思います。

 明治34年福島県伊達郡に生まれた佐藤誠は、明治42年9麹ヒの時に小倉嘉三郎氏の弟子となりました。 三年間は子守や農業などをして、12歳頃からこけしの修行を始めました。嘉三郎氏だけでなく、氏の兄弟の茂松、佐藤今三郎にもこけしを習ったそうです。

 弥治郎時代の誠は、弥治郎系の特徴とも言えるロクロ模様を中心にしたこけしを主に作っていました。当時からロクロ線の繊細さ、色彩感覚には定評があったようです。
 中でも「誠最古型ロクロ」は、大正14年に撮影された、日本最古のこけし写真と名高い「各地コケシボーコ」
(下写真)に、名だたる名工の作品と共に掲載されていて、価値のある作品と言われています。
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日本土俗玩具集二-五 最古のこけし写真(推定大正14年頃)
・・・「日本土俗玩具集」全5編を発行したが、第二編第5瑞}に載せた「各地コケシボーコ」の写真の一枚が、こけし界最古の写真文献として著名である。佐久間浅之助、飯坂佐藤栄治、遊佐民之助、佐藤誠(推定)、高橋勘治(推定を含む)四本、岡崎長次郎二本、荒井金七、以上十一本のこけしを掲載している。明治、
大正期のこけしを研究するにあたっての非常に貴重な資料である。
鹿間時夫編・こけし辞典493頁「婢子会」より抜粋

 弥治郎時代の誠には、佐藤春治、新山左内という腕利きの仲間がいて、「弥治郎三羽カラス」と呼ばれていたそうです。また、弟弟子に梅こけし創案で有名な大野栄治がいました。

 佐藤誠の弥治郎時代は、兵役、お礼奉公を終えて仙台に出た大正13年まで続きました。その後いわき市へ移り、大工場建設・経営者へと上り詰めていく(平時代)のですが、その背景には弥治郎時代の下積みがあったのですね。

文 佐藤英之

 

佐藤裕介作 起き上がりだるま

先日ご紹介した、わが弟弟子佐藤裕介の新作紹介です。

作り手が変われば発想も違うもので、今までうちでは作らなかったようなものにチャレンジしています。

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いかめしい顔をしただるま。このだるま、座っているだけではありませんΣ(゚ロ゚ノ)ノ
ちょっとした細工がほどこされていて、倒しても起き上がってくるだるまなのです。
くらくら~と起き上がってくるところが、なんとも手作りの味わいで面白い。

動画でご紹介しています。ぜひご覧ください!


佐藤裕介作起き上がりだるまはこちらからご覧ください

ご神木こけし

こけしはいろいろな木から作ることができます。
今日はちょっと変わった木で作ったこけしを紹介します☆

正確にはどこかわからないのですが、ある神社でご神木として祭られていたイチョウの木。
樹齢400年以上と言われていたそのイチョウの木は、ある事情から切られてしまうことになりました。

そのイチョウの木は、めぐりめぐってなぜかわが木地処さとうに引き取られることに。
そして最近そのイチョウの木で作ったこけしです。
ご神木こけし

イチョウの木はとても柔らかい木で、こけしにするにはちょっと不向きと言えます。
成型するのも一苦労だし、色もにじみやすい。でも仕上がってみるととてもあったかい雰囲気になるんです。
手にとって見るととても軽くて、木の温かみが感じられるんです。
それはご神木として長年神社や人々を守ってきた力が込められているのかもしれません。

他にも、イチョウを使った作品はこんなものがあります。
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ももたろう。元気を贈りたい誕生祝などによく使ってもらいます。

ご神木こけし、何点かご紹介しています。こちらからご覧ください。

Design Yourself☆ オリジナル作品作りませんか?

こけしも最近は参加型が増えてきたように思います。
わが木地処さとうの体験教室もまもなく4000人を迎えようとしていますが、やっぱり自分で作ってみるっていうのは魅力がありますよね。

今回4点の無地のままの作品をご紹介しました。
ご興味があるかたは、ぜひチャレンジしてみてください!

1.こけし
これは定番ですね。昨年、東京ミッドタウンでこけしのクリスマスツリーに変身したのはこのこけしです!
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2.子持ちこけし
今回初めてご紹介したのは、子持ちこけしの無地作品。これは作り応えがあると思います。
プレゼントにもおすすめです!
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3.だるまおとし
だるまといっても、こけしを描いても、好きな柄を描いてもOK。
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4.けん玉
飾っても遊んでも楽しいけん玉。こちらもこけしに似ていてかわいらしく仕上がります。
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作品の詳細はこちらからご覧いただけます。
よろしくお願いいたします。

弥治郎系の傑作・梅こけし

先日の全日本こけしコンクールの受賞作品もそうなんだけど、「梅こけし」はわが佐藤家、本家小倉家の特徴的なこけしの一つになってる。

今日はその「梅こけし」の発祥についてお話をします。

梅こけしは、弥治郎系の傑作の一つと知られています。
梅こけしは、小倉嘉三郎の弟子の一人、大野栄治の創作から生まれました。当時ロクロ模様が中心の弥治郎系にあって、大野栄治の鮮麗目をうばう美しいこけしは、収集家を大変騒がせたそうです。
umekokeshi.jpg 元祖梅こけし。左・大野栄治作 右・小倉嘉三郎作

 新山左内と佐藤春二、大野栄治は仲がよく、15歳の時に三人で松竹梅のこけしを作ろうということに話が決まって、左内は松、春二は竹、栄治は梅を描くようになった。(こけし手帖17号、土橋慶三氏の話)

 大野栄治は天才的な職人気質の工人。繊細な筆づかいで、
非常にまてな美麗の栄治作梅こけしは人気を博しました。 
oonoeiji.jpg 在りし日の大野栄治氏

「この頃はこけしを多数作り、まてな仕事で弥治郎の中では一番売れる工人であった。(こけし辞典)」

嘉三郎の長女はつと結婚後、昭和4年に北海道へ移住した後も、梅こけしを作り続けました。今でも大野栄治の梅こけしは名品として知られています。

 大野栄治がいなくなった後、嘉三郎は自分の梅こけしを作りつづけたわけですが、栄治とは対照的に、梅模様も表情もおおらかな雰囲気。戦前は栄治作の評価が高かったものの、戦後はむしろ嘉三郎の梅こけしが高く評価されるようになってきました。
ogurakasaburou.jpg 在りし日の小倉嘉三郎氏

 梅こけしはその後、嘉三郎の子孫・篤、勝志、大野栄治の息子定良、佐藤誠、誠孝、英之、高橋精志などたくさんの工人が受け継ぎ、「弥治郎系の傑作・梅こけし」は現代でも愛され続けています。

文・佐藤英之
参考資料 こけし辞典(鹿間時夫編)
こけし手帖(東京こけし友の会編)

木地処さとう倶楽部再開のお知らせ

ホームページリニューアルに伴って、休止していた木地処さとう倶楽部ですが。
ようやく再開の準備が整いました!

木地処さとう倶楽部とは・・・伝統こけしや、木地処さとうの活動をより楽しんでいただく倶楽部です。
前に登録されていた方も、再度登録していただくような形になりますが、ぜひご登録くださいね。

会員登録は無料。登録していただくとこんな特典があります。
・メールマガジン(月1回程度)や、展示会のご案内を差し上げます。
会員登録時に、300ポイントをプレゼント☆お買い物の際 にご利用いただけます。
・便利なポイントシステムをご利用いただけます。
・会員様だけの特典も予定しています。



今後とも木地処さとうをよろしくお願いいたします。

新工人・佐藤裕介のご紹介

以前から何度かご紹介はしてきましたが。
佐藤誠孝の次男で、英之の弟にあたる、佐藤裕介がこけし工人としてデビューすることになりましたので、ご紹介いたします。平成22年5月3日の弥治郎系工人会総会にて、伝統こけし工人に承認されました。
新工人・佐藤裕介

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佐藤裕介(さとうゆうすけ) 昭和57年4月6日 福島県いわき市生まれ

幼い頃から絵画に深い興味を持ち、高校卒業後は絵画関係の専門学校へ進む。その後も独学で絵画を磨き、雅号「夏井裕」として地元を中心に絵画活動を行っていました。特に「にがおえ」は、暖かい雰囲気でとても人気があります。夏井裕の絵画専用ホームページはこちらからご覧いただけます。
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学生の頃から手伝いをしていましたが、平成21年10月より、父誠孝を師匠として、正式にこけしの修行を始めました。絵画の経験から生まれる筆使いで、描彩には独特な味わいがあり、今後のこけしが期待されます。
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平成20年5月。水木の皮むきにも参加してました。これも修行の始まりだったのかも。

現在、初作のこけしをホームページで販売開始しております。
佐藤裕介の初作こけしはこちらからご覧ください。

みなさん、どうぞあたたかく見守ってくださいますよう、よろしくお願いいたします。

けん玉クラブ活動報告

けん玉クラブの活動ですが。
最近はこけしブログには書いていませんが、毎月活動しているんです☆
でもゴールデンウィークが終わるまではやはり休止していて、ようやくその後活動を再開したところです。

13日にけん玉道場がありました。
けん玉クラブホームページで様子が見れますので興味がある方はのぞいてください(^ω^)
http://kendama.doorblog.jp/

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新工房完成!

建物は4月中に完成していながら、ゴールデンウィークの全日本こけしコンクール、いわきの工芸展のイベント準備・開催などでストップしていた新工房。

今日、とうとう完成しました!
今日は最後の仕事、看板の設置を行った。
その様子をご紹介しましょう。

1週間かけて私英之が製作した看板。
台になる素材はケヤキの大きな板なんだけど、実はこれを隣の大工さんからいただいて、それがすごくいい材料だったんです。それでムラムラと創作意欲がわいてきたΣ(゚ロ゚ノ)ノ
こけし工房完成

作るまではともかく、これを壁に取り付けることが最後の大仕事。
いろいろ計画を練って、最高に天気がよかった今日、ついに設置です!
こけし工房完成
まず外壁に穴をあける。外壁につけるわけではなくて、中にある柱につけなれればいけません。
新築したばっかりのところに穴をあけるなんてΣ(゚ロ゚ノ)ノうまくいくのか心配で仕方ない。

こけし工房完成
位置が正確に決まったら貫通させるまで手動ドリルで穴をあけます。これが一番確実です。

こけし工房完成
前もって取り付けておいたボルトを差し込んで

こけし工房完成
最後にビスで取り付け!

こけし工房完成
ああうまくいってよかった!とうとう新工房の完成です!
みなさん機会があったらぜひ遊びにいらしてください。

全日本こけしコンクール 実演に行ってきた

5月3日と4日。宮城県白石市ホワイトキューブで、全日本こけしコンクールが開かれた。

ゴールデンウィークってこともあると思うけど、なにしろすごい数のこけしファンが集まった!
初めて実演をした僕はちょっとビビリ気味です(笑)
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今回初めて販売してみた「こけT(こけしTシャツね)」も加えて、バリエーションは盛りだくさんです☆
実は今回の実演にたくさんこけしを持って行きたかったので、ホームページでのご紹介は一時お休みしてました。だから、中には「これってホームページになかったのに!」という声も結構あったんです。
そういう事情ですので。あしからず。

それにしても、ホームページとかこけしブログ見てくれてる人がすっごく多いことに改めてびっくりしました!
とにかく「見てます!」っていう人が多い。きっと話をしなくても見てくれてる人たちもいるはずだから、改めてこけしを伝えるプロジェクトの重みを感じました。みなさんありがとう!これからもよろしくです。

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今回入賞をいただいたこけし。
この前まちがえて、仙台市長賞とお伝えしたみたいですが、実は山形市長賞でした!訂正いたします。
栄治型直胴梅。他のコンクールと審査基準が若干異なるこのコンクールには合ってるのかもしれませんね。

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その他出品作品。

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今回はうちの母、みきこけしも初出品でした☆

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最高賞を受賞したのは、遠刈田系の佐藤良子さん。夫婦で最高賞を受賞したのは史上初なんだそうです。
おめでとうございました!

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おまけ。今回はマトリョーシカブースがでてたんですが、遊びで僕も作ってみました。
中からぽこぽこ出てくる姿はおもしろいですね。
でもこけし工人からすると、この形はちょっと難しさもあるんです。ほら、こけしは頭と胴がはっきり分かれてるけど、これはそのラインがあんまりはっきりしてないでしょ?

でもこの難しい形に何を表現するかってのも、作家としては問われるものがあるような気がして(笑)
どうですか?よかったら感想をお聞かせください(^^)

こんなことも含め、なんとも有意義な今回のコンクール実演でした☆
それと、今回重大なことを決心したのです。近いうちに改めてみなさんにお知らせしようと思います。