木地処さとうの歴史

店長よりご挨拶

木地処さとうは、昭和元年創業、伝統こけし製作工房です。
弥生時代より伝わる伝統の技法を守り、かつ現代に愛されるこけしを作ることが私たちの誇りです。
材料となる木材は全て国産天然木を使用。『時間・手間・工人の思い』をたくさん込めた製品を作ることにこだわり続けています。

木地処さとうが求め続ける伝統こけしとは

昔、こけしといえばどこの家にも1本や2本は必ずあるものだ、というのが定説でしたが、現在ではあまり身近に触れることも少 なくなりました。
それに加えて、家の省スペース化がすすみ、こけしのような飾り物を置く場所がないという方も多いのではないでしょうか。
私たちは、今までこけしは飾るものだというイメージを変えるべく、伝統こけしの技を生かした楽しい細工物も多く製作しています。作品集のこけし印鑑に代表 されています。ぜひご覧下さい。
もちろん昔ながらの伝統こけしも製作しています。楽しい細工物などからこけしの面白さが伝われば幸いです。

木地処さとうの歴史

第一期 初代・佐藤誠が宮城県弥治郎村の、小倉嘉三郎氏に修行に入る(1910年)。
弥治郎系小倉嘉吉系列の分家に当たる。
第二期 佐藤誠は独立・いわき市平で『佐藤木工所』設立(1925年)
岩手県にて平泉工芸社を設立(1958年)
第三期 二代目・佐藤誠孝がこけし工人に。木地処さとう設立(1975年)
第四期 三代目佐藤英之がこけし工人に(2003年) 佐藤誠孝が内閣総理大臣賞受賞(2004年)
こけしコンクールで初めての親子3工人同時入賞を果たす(2009年全国こけし祭りコンクール)

いわきで受け継ぐこけしの技

令和2年10月30日いわき市生涯学習センターにおきまして、こけしの講演会を開催いたしました。
その内容が先日いわき市公式Youtubeで公開されておりますので、ご興味がある方はぜひご覧いただければと思います。

三代目佐藤英之が、伝統こけしのこと、木地処さとうのこと、製作実演など盛りだくさんの内容を講演させていただきました。

1時間28分という長時間の講演内容となっておりますので、目次と目安時間を参考にご覧ください!

  1. 自己紹介等(~7:59)
  2. こけしの製作実演(8:00~53:24)
  3. こけしの歴史(53:25~1:13:34)
  4. いわきで受け継ぐこけしの技(1:13:35~1:28:46)

 

配布資料は以下の3点です。PDFファイルをお求めの方は、お問い合わせからご連絡ください。

 

こけしの専門用語集

いわきで受け継ぐこけしの技

いわきこけし

木地処さとうのご紹介ビデオ

平成15年撮影・福島の手仕事

こけしはいつ、どこで、なぜ生まれた?

こけしは、いつ・どこで・なんのために生まれたのか?とはよく言われることですが、みなさんはどう思いますか?
今日はこけしの誕生について、改めて考えてみたいと思います。

こけし研究家 高橋五郎氏所蔵品

こけしはいつ生まれた?

日本で最初に作られたこけしはどんなものかということは、こけしの最大の研究テーマと言えます。現在のところはっきりわかっていません。はっきりしていることは、木地師(ろくろで木を丸く加工する職人)が作り出したということだけです。
江戸時代以前には作られていたことはわかっています。近年になり、奇跡的に江戸時代に作られたと推定されるこけしが発見されました!

(こけし研究家 高橋五郎氏所蔵品)

こけしはどこで生まれた?

伝統こけしの発祥地は、東北地方だけに存在しています。なぜ東北地方だけなのか?それは伝統こけしの不思議なひとつですが、東北の風土と人が生み出したのではないかと言われています。

東北地方の産業は農業が中心でした。そして冬になると雪に閉ざされ、農閑期という時期があります。 田んぼや畑仕事はできないし、外は雪だし・・・だからといって休んでばかりいないのが東北人。 農閑期にできる仕事を作り出しました。東北の各地では、農閑期に発達した文化が存在します。こけしなどの民芸品は、農閑期の副業としての存在意義が大きかったようですね。こけし工人の最初は兼業農家だったと言えると思います。

「こけしは冬の間もよく働くまじめな農家のおじさんから生まれた!」と推測します。

こけしはなんのために生まれた?

湯治場のおみやげとして誕生したとか、子供の遊び相手に与えたとか、諸説あります。どれも間違いないことだと思いますが、やはり農閑期にかかわっている様な気がします。

東北では昔から「湯治」という、農閑期に温泉で疲れや傷をいやす文化がありました。
東北ではあちこちで温泉が湧いています。湯治は、自炊しながら長期間滞在するのがふつうだったので、大きな温泉ではたくさんの人が集まったんでしょう。 そうなればお店が繁盛するのも想像がつきます。そこでこけしのような人形が並んでいた、そんな光景を僕は想像します。

留守番の孫さんへのお土産にこけしを選び、時にはマッサージ器具としてこけしを肩や背中に当てたという話を聞いたことがあります。このエピソードだけでも、こけしが子供の遊び相手であり、温泉地のお土産として作られていたことがわかりますね。

現代のこけし

こけしは元々の目的である「子供の遊び相手」「旅先のお土産」「愛好家のコレクション」に加えて、現代では「こけしの素朴な魅力が人の心を癒す」という点が大きくなってきたようです。

どんな癒しになるかは人それぞれ異なると思われますが、日々の暮らしの中でこけしが少し気持ちを明るくするお手伝いができたら、こけしを生み出す工人は嬉しいものです。みなさんのこけしへの思いを聞くことができたら、工人はもっといいこけしを作ることができることでしょう。ぜひあなたの思いを工人に伝えてくださいね!

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