9年目のスタート

今日から、僕のこけし人生が9年目に入った。

思えば8年前の6月30日に、大阪で勤めていた会社を退職して、こけしを継ぐ決意をして地元に戻った。

あの頃はまだ24歳だったのに、今ではもう32歳になっている。思えばいろんなことがあったけど、こけしのおかげでたくさんの出会いがあって、少しは世の中に役立つ仕事ができるようになってきたように思います。

今日、ある人からこんな話を聞きました。
こけしは、どこか寂しげな部分があります。
自分がつらい思いをしたときに、そんなさびしげな部分が支えになる。そばに置きたい、大切なものです。

僕にとって、こけしとは僕自身なんだろうと思います。
自分では一生懸命作っているだけですが、自分の今も過去も、未来への希望もみんな持っている存在なのかもしれません。そういう意味では、ただ仕事で作って売っているという単純なものではないと思います。

今まで生きてきて、楽しかったことも山ほどあったし、時にはつらいこともありました。でもそれが全てこやしになって、自分が作るこけしに映っているんだと思うんです。喜んでもらえるこけしを作るには、いろんな経験をして人の気持ちをわかる人間にならなければいけない。そんな自分磨きがこけしの修行です。

そういう意味ではこけし修行は一生続くものですが、9年目のこの年は、これまでの修行の一応の仕上げの年になると思います。そして10年目を迎える来年には、伝統こけし工人として一人立ちするつもりです。どんな形でひとり立ちなのかは今模索しているところです。

今の時代、こけしでひとり立ちするのは並大抵なことでないことはわかっています。でも不可能ではない。そのためには1日も無駄にはできません。一瞬一瞬を大切に、努力を積み重ねて行きたいと思っています。

みなさん、応援してください!
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