東日本大震災と木地処さとう 最終回

私達は水を得た魚のようにこけしを作りました。この時ほど作る喜びを味わえた瞬間はなかったかも知れません❗

赤城山で生まれたオリジナル作品をご紹介します😃
1 赤城山のレンゲツツジ 英之作

2 赤城山のミヤマキリシマ 美喜子作

3 赤城山の子持ちこけし 英之・裕介合作

4 赤城山の梅こけし 誠孝作

いずれも群馬県産みずき材を使い、赤城山の仮設工房で生まれた作品です。
群馬県のみずきは東北のものよりやわらかく、フワッとした雰囲気のこけしになるように感じました。作風に大きく影響したと思います。

赤城山の中腹という分かりにくい立地にも関わらず、たくさんのお客様が応援に来て下さいました❗心から御礼申し上げます。

仮設工房は物置小屋1つだけだったものが次第に増えて3つになり、不便なところはあるものの制作量は以前と同じか、それ以上になっていました。それには群馬県という地理的な要因がありました。群馬県はこけしの材料になるみずき材の大産地で、私達が望む通りに手に入れることができました。これには私達は今まで経験したことがない豊かさを感じていました。

仮設工房設立にお力添えを下さった藤川工芸様、温かく見守って下さった赤城町の皆様、快く仲間に入れてくださった創作こけし作家の皆様、群馬こけし愛好会会員の皆様にも深く御礼申し上げます。

私達は2012年3月末に赤城山の仮設工房を閉じ、福島県いわき市に帰還しました。赤城山の経験をもとに、2015年にはいわき市の水石山の麓に小川工房を設立。群馬県産みずき材は今でも一部使って作品を作っています。

東日本大震災の頃、「震から新へ」というキャッチコピーがよく流れていました。震災はつらいことがたくさん起こりますが、そこから新しい生き方を拓いていける時でもあるのかもしれません。

東日本大震災と木地処さとうのお話はこれで終わりです。明日から11年目となりますが、前を向いてこけしを作ってゆきます❗ありがとうございました。

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