こけしができるまで

こけしの組み立て

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こんにちは!三代目英之です。
東北地方もついに梅雨明けを迎え、夏本番。先週末くらいからすっごく暑くなってきました。

夏のこけし作りは大変なこともいろいろありますが、その一つに「墨」の問題が出てきます。
すずりで墨をするわけなんですが、夏はその暑さと風で、すぐに墨が乾いちゃいます。そしてまたする。ちょっとしたらまた乾いてる!
こんなことの繰り返しです。

さて、今日のろくログですが。
先週作っていた「誠旧型直胴椿」。もう一度ロクロにかけてろうを塗って、あとは組み立てるばかり。
こけしの頭と胴の組み方には数種類あります。今回のこけしはその中の「さしこみ式」と呼ばれるもの。

さしこみ式は、頭と胴の両方に穴をあけておいて、別に用意した棒で組み立てる、シンプルなものです。
写真はもうすでに胴に棒を差し込んであります。

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胴から出てる棒を、頭の方の穴に差し込みます。この時、特に頭に傷がつかないよう細心の注意を払います。
わたくしの祖母(つまり誠さんの奥さん)は、かつて「仕上げのバカヤロ」とよく言ってました。99%上手に作っていても最後の一手で台無しになるという経験は、工人ならだれでも経験していることでしょう。そんなことを一言で教えてくれたんですね。

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そんな祖母のことを思い出しつつ、無事に40体完成しました!

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東京こけし友の会のみなさま、あともう1種類40体作ったら完成です!

・・・『こけしができるまで』 2007年1月23日のブログより・・・

僕のブログは一応「こけしブログ」なので、たまにはこけしのことを書いてみる。
もうブログも8ヶ月目に入っているのに、こけし作りについて書いていなかったことに 今更気がついた。Σ(゚д゚lll)
なので・・・せっかくだからじっくり書いてみます。

 

その1 伐採~材料の選定

1.伐採

伐採~材料の選定

こけしになる木を伐採します。こけしに使われる木は、ミズキ・イタヤカエデが主流。 だけど現在これをやる工人はほとんどいません(全くいないわけではありません)。 もちろん伐採からできれば一番いいんですが、現状は材木を扱う業者さんから仕入れるのがほとんどです。

2.材料の選定(木の種類について)

材料の選定(木の種類について)

作るものによって、材料を使い分けます。どの材料も、秋から冬の間に伐採しなければなりません。 その後、細いもので半年、太いものでは数年間かけて乾燥させます。
ミズキ・・・昔からこけし作りに使われている木。比較的やわらかく、手触りもあたたかいです。木肌が白く、こけしを作るとどこか素朴な雰囲気が出るのが特徴です。こけしを作るにはベストの木だと僕は思っています。

イタヤカエデ

イタヤカエデ

・・・これはミズキに比べれば近年になってこけしに使われるようになったようです。多分昭和に入ってから。木肌は少し肌色がかっていて、硬い。精巧な細工物を作るときなどはイタヤカエデを使う方がきちっとしたものができます。
木地処さとうで使用するのは主にイタヤカエデです。現在は山形県のイタヤカエデを使用しています。 今回調べてみたら、イタヤカエデはこけしのほかにも、 家具、楽器、スキー、バットなどに使われているとのこと??( ̄□ ̄;)ナント!! また、イタヤカエデの樹液はタバコの香料に使われているらしい・・・世の中知がたくさんありますね。
他にも特殊材として、つばき・えんじゅ・けやき・くわ・せんなどいろいろな木があります。 作るものによって使い分けると、とっても楽しいもの作りができるんですよ。(*σ´∀`)σ

 

その2 木取り

木取り

こけし作りは、ロクロ作業が目立つけれど、それはほんの一部でしかない。その前にとても大切な仕事があって、今回はその部分を書いてみる。

木取り

物作りはなんでもそうだと思うけれど、材料を大切に使うことは鉄則。だから、ロクロにかけて削る前に、できるだけ近い形に切ったり割いたりする。この作業を木取りという。

木取り

写真上から丸太をのこぎりで切る→なたで1/4に割る→なたで角を落としていく。

木取り

だいたいこういった、四角形の角を落とした、八角形くらいの形になるようにする。
現在は、この作業は「丸のこ」という電動ノコギリの王様のような機械で行う。でも手動での作業を身につけることは大切なので、僕も2年間くらいはのこぎりとなたで製材していた。大切な修行の一つです(;^ω^)
師匠はよく、「材料の選定~木取りがこけし作りの8割」といつも僕に教えていた。たしかに製材が正確にできないと、あとのロクロでの作業は台無しになる場合も時々あるΣ(゚д゚lll)。要注意である。

 

その3 ロクロで削る~刃物を研ぐ

ロクロで削る~刃物を研ぐ

前回までの木取りまでがおわると、ようやくロクロでの作業が始まります。古来からの手法では、上の写真のように一人が綱で回して、一人がこけしを削り出す という二人三脚の作業。昔から奥さんや子供が回して、お父さんが削って作ったと言い伝えられている。回す方はとっても疲れる・・・多分けんかすることも多 かったろうと僕は推測するΣ(゚д゚lll)
(現代はモーターで回すロクロを使用しています。今回は特別に古来から伝わる二人挽きロクロを紹介します。)

ロクロで形を削り出す

ロクロで形を削り出す

先の鋭くとがった『かんな棒』を、『うま』に固定させて少しずつ削っていきます。
古式ロクロだと、丸くするまでがとっても大変でした。

ある程度こけしの形が見えてきました。

ある程度こけしの形が見えてきました。
そろそろ回す方も疲れてきているので休憩(;^ω^)

 かんな棒を研ぐ

かんな棒を研ぐ

休憩とはいってもお茶のみばかりはしていられません。かんな棒がよく切れるように、砥石で刃を研ぎだします。

 

 その4 こけしの完成

苦労した古式ロクロでのこけし作りもいよいよ仕上げにはいります。

苦労した古式ロクロでのこけし作りもいよいよ仕上げにはいります。
今回は完結編です。よろしくお付き合いくださいませ(^ω^)

 仕上げ バンカキをかける

仕上げ バンカキをかける

ちょっと見えにくいかもしれませんが、『バンカキ』という特殊な刃物を使い、こけしの木肌をきれいにしていきます。バンカキはこけしを作るのにはとっても便利。だけど、うまく使うには年数がかかります。 このあと、サンドペーパー、とくさ、へちまの順に磨きをかけていきます。

 ロクロ線を描く

ロクロ線を描く

木地処さとうのこけしは、ボーダーの服を着たようなしま模様のこけしが多いのですが、これは『ロクロ線』と呼ばれる線なのです。ロクロを回しながら描く線で、かんたんなように見えて、実はとっても奥が深い難しいものなんですよ。師いわく、『手描きの模様より奥深い』とか。

こうして顔を描くまでのこけしが出来上がりました

はい、こうして顔を描くまでのこけしが出来上がりました!!

 表情を描く

 表情を描く

今回は私英之が表情を描きました。古式ロクロでのこけし作りは、きれいなものはできません。でも、現代のように『きれいなものがあたりまえ』の時代に、こうしたあったかい手触りの味わい深いこけしがあってもいいのかな、とも思いました。 5回にわたり紹介した『こけしができるまで』シリーズはこれで終わりです(;^ω^)。お付き合いありがとうございました!

 

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