こけしと工房のお話

墨をすること

こんにちは!

東北地方はまだ梅雨明けしていませんが、確実に暑い夏が近づいてきていますね。
こけし工房はもちろん暑い夏でもこけしを作っていますよ~。

今日は墨とすずりのお話。

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時々びっくりされるのですが、こけしの表情や模様を描くのにはすずりですった墨を使います。

いまどき手で墨をするんですか!!

そんな声が時々聞こえてくるんです(笑)
確かにね~。墨をするには20~30分くらいはかかりますし(季節や水量によって時間は変わりますが)、
なんといっても現代では墨汁が市販されていますから、そんな声もあってしかるべきかと思います。

でも、こけしにはすずりで墨をするのが一番なのです!
今日はそんなお話をさせてもらいたいと思います。

 言わずと知れたことですが、こけしは天然の木で出来ています。
木は種類や乾燥状態によって、適した墨の濃さがぜんぜんちがうのです。
柔らかい木には濃い目に墨をすらないとすごくにじんでしまいます。
逆に硬い木にはちょっと薄目にした方がしっくりなじんだりするんです。
また、木目によっても微妙に濃さを調節したりもします。

 さらにこんなこともあります。
例えばこれからの暑い夏の時期などには、墨は水分を奪われてどんどん乾いていきます。
乾いていくと墨は濃くなり、ちょうどよくしたつもりでも濃すぎてうまく描けないということが出てきます。
夏は筆先もすぐ乾いてしまうので、そちらにも細心の注意が必要なんですよ。

 そういったことに気を配りながらこけしを描いていくわけなんですが、それは墨汁では不可能ですよね。
だからこけし工人は必ず墨をすずりでするのです。

 こんな忙しい時代に悠長なことを・・・と思われるかもしれませんが、
墨をすっている時間はすーっと心が落ち着いたりして意外といいものなんです。
気持ちが忙しくなってしまった時には、墨をすってこけしの絵を描いてみるのもおすすめですよ!

三代目 英之でした。

改めて先代のこけしを見る

こんにちは!お久しぶりのこけしの郷便りです。

小川町に自宅兼工房を作り始めてからもうすぐ1年です。
まだ小さなこけし小屋があるだけで、私英之のプライベート工房という範囲なんですが、それでもほとんどの作品は作れるようになってきました。
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(小川工房作りはじめの頃の様子。どう変化したかまた後日ご紹介します。)

先日は初めてこけしを削る刃物を作ってみました!
普段はしっかり炭をおこしたり煙突をつけたりと大がかり仕掛けを作るんですが、一人だけでもできるのかどうか、とにかく身近にあるものでやってみようというチャレンジです。
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耐火レンガを組んで、市販のバーナーだけでやってみました。作る数も3本と少なかったです。

こんな簡易版で火事にならないかドキドキしましたが、無事完成しました!
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見た目は普通ですが、刃物は使ってみて硬さがよいかどうかが大切です。
やはり簡易的にやっただけのことはあり、ちょっと焼き入れが足らない感じはしましたが、ちゃんと使うことができることがわかってホッと一息。

しっかりした設備はいずれ欲しいところですが、要は自分に基本的な技術が身についているかということが大事なので、きちんと完成できたことがよかったです!


先日小屋にこけしの展示棚を導入しまして、一部こけしを見れるようになりました!
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けっこう大きな棚なので、こけしが少ないとちょっと寂しい状態になっていました(笑)
それで、本店にしまってあった先代の誠さんのこけしを飾りました!

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誠さんのこけしを並べると、僕はなぜか気持ちがスーッと落ち着いたような気がしました。
いつも誠さんがそばにいるということなんでしょうか?

今回はいつも復元している作品とはちょっと変わったこけしたちをもってきてみたんです。
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誠さん晩年の作品。シンプルですけどロクロ線が細かく返してあったりかなり凝ってます。
やはりキャリア50年にもなるとシンプルな中に深みがあるんですね。近いうちに挑戦したくなりました。

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これも晩年の作品。胴にあるのは菊模様。
すごいですね~、この筆遣い。究極の筆模様ですよ。
この菊が描きたくていつも練習していますが、まだまだ遠いです(^^;)
このこけしもいい雰囲気の作品なので、いずれチャレンジしてみるつもりです。

小川工房はただいま看板を製作中なのです!
もうすぐ1周年なので、その時期に飾りたいですね~。

ぜひ一度小川工房にも遊びにいらしてくださいね。

三代目 英之でした。

 

 

ロクロを作る

工房はできたけど、その後こけし作りの相棒とも言えるロクロを作ってます。
 
新しく作るわけではなくて、もともと実演用に誠孝さんが作った小型ロクロを、思い切って本式に作り直すことにしたのです。
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この小型ロクロは思い出深いやつなんです。
東日本大震災の時、群馬に一年間移転してた時に、今と同じように200ボルトの電源がなかったため本式のロクロを使えず、
家庭用100ボルトでも回る小型ロクロでやり通したということがありました。
なんかあの頃を思い出すなあ〜。効率はあまり良くないんだけど、なにか気が合う仲間のような存在。それが本式に生まれ変わるのです!うまくいけばね(笑)
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中心になるのは土台になる木組みのやぐら。
モーターの振動も大きいし、気を削る力もかかるので頑丈にしたい。
ホゾを作って組み込んでいく、言ってみれば小さい小屋を作ってるような感じ。
ほんとは大工さんに依頼するような仕事で、なかなかうまく行かない! 
 
でもこれを完成させないとこけし作りが始められないので、はやる気持ちを抑えながら1週間。
 
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そしてやっとできたー!
震災の思い出が詰まった小型ロクロが生まれ変わった。
今まではボルトだけで組んであった木組みが、ホゾ作りで頑丈に。木に例えれば大木のような根が張ったイメージです。
これがどれくらいの能力があるのかは今後の仕事で見えてくる事なんだけど、あの震災の頃の仮設工房を自分たちの力で本物に仕上げたような気持ち。
まだまだ作りたい設備はたくさんあるし、仕事もたくさん待ってもらってるので、これからバリバリやるぞー(๑•̀ㅁ•́๑)✧
 
そして・・・できました!新工房最初のこけし。
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引っ越しや工房作りでしばらくお休みしてたせいか、普段とはちょっと雰囲気が違うこけしができたような気がしますが、それもこけしの楽しみの一つでしょう(・∀・)
工房はまだ作りたい設備がいろいろあって、完成まではまだまだ時間がかかりそうですが、今後はこけしを作りながら進めていけるのでとりあえず一安心というところです。
 
こけしも順次ご紹介できたらと思っております。今後もどうぞよろしくお願いいたします。
 
三代目 佐藤 英之

新工房作り。壁を作っています。

工房作りが続いてます。

外壁しかない小屋に内壁を貼りたいということで、ホームセンターから板をとりあえず10枚ほど購入。

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計ってみると壁の大きさって同じように見えてすこしずつサイズが違うのね。 ここは大事なとこなので設計図を書いて、一枚ずつ丁寧に切っていきます。
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もう少し簡単にできると思ってたんだけど、やっぱり素人は時間がかかるなあ〜。

しかし、師匠の誠孝さんの教えでは、こうしたこけしと関係のないと思える仕事をきちんとすることで、 こけしの腕も上がるんだそうです。早くこけしを作りたい気持ちを抑えつつ、少しずつ進んでます!

小川工房つくりが始まりました

小川の工房作りが本格的に始まった(・∀・)

 

最初に暑さ対策ということで、天井の裏側にグラスウールの断熱材を入れて、塗装した板を貼る作業。




 

 

ただでさえ暑いのに、ワタの固まりのようなグラスウールを扱うのはまるで真冬用の毛布を10枚天井に持ち上げるような気持ちでした。

 

それに天井を貼るのは首や肩にかなり負担がかかるんですねえ〜。

素人細工なので、まあ難は多少ありますが。家族の力でなんとか貼り上げた! すごい達成感です。

 

まだまだ工房つくりは続きます。

三代目 英之でした。

 

新工房計画のお知らせ

久々のこけしの郷便りとなりました。今日は新工房計画をお知らせしたいと思います!

木地処さとうの工房は、1982年に現在の福島県いわき市平塩(以下平工房とします)に二代目の誠孝さん一人で始まりました。その後2001年に三代目の英之が加わり、後に四代目の裕介さんも加わりました。2009年には新工房誠孝舎が完成して、家族でこけしを作り伝えている工房として成長してきたと思います。

そして今年から、同いわき市小川町に新たな工房を作る計画が始まりました!

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こちらも平工房と同様に自宅兼工房としてスタートする予定です。

新工房予定の小川町は、平工房と大きく違うところがありまして、大変豊かな自然に囲まれていることです。こけしを製作する環境としてはとてもよいところで、どちらかというと町の近くにあって便利のいい平工房と2つあることでよりよい作品作りをしていけると考えております。

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新工房でまず最初の仕事は、併設の小屋を工房に作り変えることです。ここには電気も来てないし、元々が物置として使われていたところなので夏はとてつもなく暑く、冬はとてつもなく寒いことが予想されるので、その対策を講じることから。

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とりあえず断熱材を手に入れましたがどうなることやら。とにかく手作りで作っていくのが木地処さとう流なのです。

できるだけ早く最初のこけしを作りたいと考えていますが、工房づくりも同じように楽しんでいただければ嬉しく思います。

今後共木地処さとうをよろしくお願いします。

三代目 佐藤英之

伝統こけし 誠古型ロクロ

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こんにちは!三代目英之です。
すっかり夏本番となりましたね~。

私事で恐縮ですが、8月2日に誕生日を迎えまして、37歳になりました。
毎年誕生日の思い出といえば、暑い!ということが最初に来ます。なんだかんだ言いながら夏が好きです。

今日は誠さんの若い頃のこけしに挑戦していました。
伝統こけしを研究するのには、勉強になる文献がいろいろと存在しています。
この「らっこコレクション図譜」もその一つ。
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この中には有名な収集家の方のコレクションの写真が収められています。
こういった図録に、作品と共に作者の名前と製作年代が正確に記録されているのは、伝統こけしの一つの特徴ですね。


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誠さんのこけしも5点収められています。特に左の写真は名品と呼ばれているものの一つです。

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このこけしは名古屋の方の特注で、家族4工人で同じ型のこけしを作ってほしいというもの。
同じ型を見本に作っても、木地の形、ロクロ線のバランス、表情など微妙に違ってきます。
そこがまたこけしの良さですね。

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誠さんは34歳の時にこのこけしを作ったんだそうです。
昭和10年。時は第二次世界大戦に向かっていくさなかですね。どんな思いでこけしを作っていたんでしょうか。

暑い日が続きますが、みなさまお身体に気を付けて夏を楽しんでください!

 

こけしの組み立て

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こんにちは!三代目英之です。
東北地方もついに梅雨明けを迎え、夏本番。先週末くらいからすっごく暑くなってきました。

夏のこけし作りは大変なこともいろいろありますが、その一つに「墨」の問題が出てきます。
すずりで墨をするわけなんですが、夏はその暑さと風で、すぐに墨が乾いちゃいます。そしてまたする。ちょっとしたらまた乾いてる!
こんなことの繰り返しです。

さて、今日のろくログですが。
先週作っていた「誠旧型直胴椿」。もう一度ロクロにかけてろうを塗って、あとは組み立てるばかり。
こけしの頭と胴の組み方には数種類あります。今回のこけしはその中の「さしこみ式」と呼ばれるもの。

さしこみ式は、頭と胴の両方に穴をあけておいて、別に用意した棒で組み立てる、シンプルなものです。
写真はもうすでに胴に棒を差し込んであります。

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胴から出てる棒を、頭の方の穴に差し込みます。この時、特に頭に傷がつかないよう細心の注意を払います。
わたくしの祖母(つまり誠さんの奥さん)は、かつて「仕上げのバカヤロ」とよく言ってました。99%上手に作っていても最後の一手で台無しになるという経験は、工人ならだれでも経験していることでしょう。そんなことを一言で教えてくれたんですね。

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そんな祖母のことを思い出しつつ、無事に40体完成しました!

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東京こけし友の会のみなさま、あともう1種類40体作ったら完成です!

【こけしの郷便り】若手工人兄弟

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こんにちは!三代目英之です。
今日は珍しく、兄弟で同じ部屋でこけしの描彩をしておりました。
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伝統こけしは、すべての工程を一人で行うのが基本。それが工人と呼ばれる所以です。
ですから、こうやって同じ部屋でこけしを描いていても、全く別のものを作っているわけです。
わたくしは3寸5分のこけし、裕介さんはねむりえじこを描いていました。

伝統こけしも後継者が少ない中で、うちは2人の後継者がいるのはかなり珍しいようです。
これからも頑張って行きますので、兄弟ともども応援して頂けたら力が出ますのでよろしくお願いいたします。

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これは先日ご紹介した、「誠旧型直胴椿」です。ようやく描彩を終えました。

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昨日製作中だったねむりえじこも完成!お待ちくださっているお客様、今日発送しましたのでどうぞお受け取りください(^-^)

木地処さとうは製作だけは土曜日もやっているので、明日は今週最後のこけしにかかります。
 

【こけしの郷便り】ねむりえじこ製作中

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こんにちは!三代目英之です。

本日はねむりえじこを作っておりました。
ねむりえじこといえば、わが工房の中ではとても人気が高い作品なんです。
特に今年は日生協のカタログでもトップで紹介されたこともあって、今までにないくらいの数を作ってます。

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ねむりえじこを作るときの変わったところといえば、かごに穴を掘る作業。
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木に思った通りに穴を掘るのは非常に難しい技術なんです。
木地処さとうでは、誠孝さんが美しく内側を仕上げることにこだわってきたので、弟子たちもうまくなってきました。

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きれいに仕上げたら、ロクロ線を入れていきます。
基本的には深い色から入れます。ここでは緑→紫→赤→黄。基本です。

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こんなことで、ねむりえじこの部品がそれぞれできました。
明日は顔と模様を描いて仕上げていきます。納期は明後日!あー忙しい(笑)

【こけしの郷便り】誠旧型直胴椿

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こんにちは!三代目英之です。たまには工房のお話をしたいと思います(^-^)。

木地処さとうは、主に誠孝さん、英之、裕介さんの3工人が日々こけしを作っているので、毎日いろんなこけしが出来上がっています。
裕介さんは時々「一点もの」でホームページでこけしを紹介しているので、近況が少しは伝わりますが、他の二人はほとんど紹介できていないので仕事してないんじゃないか!?と思われてしまうかもしれないので(笑) 時々ご紹介するようにしたいと思ってます。

この写真のこけしたちは、先週の間に出来上がったこけしの一部。
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どのこけしが誰作かわかりますか?わかったらかなりの木地処さとうツウです(^^;)


出来上がったらご紹介できたらいいのですが、何しろほとんどが注文品なので、出来上がったらすぐ発送。また作ってすぐ発送。
この繰り返しです。ありがたいことです。

ちょっと前から、ロクロのブログ略して「ろくログ」と題して、製作の様子を紹介したいとひそかに計画していたのですが、ろくログでは意味が通じないとの声が上がり、結局「こけしの郷便り」にしました。(ろくログっていいな!と気に入ってたんですがね・・・)

せっかくなのでわたくしの今日の製作の様子をどうぞ。
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これは右に見えるこけし「誠旧型直胴椿 3寸5分」の頭を作っているところ。
このこけしたちは、東京こけし友の会の例会で参加者へのおみやげこけしになります。
かなり前から注文されているんですが・・・今月中には納めたいところです!頑張ります。

ちなみにこけしの名前なんですが、難解な漢字が並んでいますが要はこういうことです。
「誠旧型直胴椿」=誠さんが晩年に作った、まっすぐな胴に椿が描かれているこけし という意味。
誠さんはご存知木地処さとうの初代。誠さんは年代によってさまざまなこけしがあるので、若い頃の「古型」、晩年の「旧型」に分けられています。

同じこけしをたくさん作る場合は、こうやって頭だけをまとめて作って、その後胴だけをたくさん作って、まとめて描いてまとめて仕上げる。
この形が一番効率よく作れるんですが、こんなにまとまった仕事はなかなかないもんです。

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ロクロで木を削り出すときに欠かせないのが刃物。一日中作っていると何回も砥石で研がなくてはいけません。
今日は4回~5回くらい研いだかな。一度に6種類くらいの刃物を研ぐので、結構大変なんですよ。
きちんと切れるように研ぐのも、大切な修行のひとつです。

まあこんなことで、たまに工房のようすも紹介していきますね!よろしくお願いいたします。

三代目 佐藤英之

 

こけしの素、ミズキの仕入れ

今年の1月のことです。
こけしの材料のミズキを、群馬県吾妻から運んでもらいました('∀`)
こけしの素、ミズキの仕入れ


木地処さとうにお詳しい方は、なぜ群馬県からなのかはおわかりかと思いますが、東日本大震災で一年間群馬県渋川市に工房を一時移転した時に、群馬県の素晴らしいミズキに出会って以来、うちのこけしの殆どが群馬県産のミズキでできています。

どう素晴らしいかと言いますと、とにかくこけしにピッタリなんです。木肌がとても上品な白さで、ロクロ加工にもとてもよい感じ。
こけしの素、ミズキの仕入れ

そんなよい材料なのですぐにこけしにしたいところですが、残念ながらすぐには使えないんです。

木は自然が育んだ恵み。自然界にはルールがあります。まず最初にすることは皮むき。あまりきれいにむくと乾燥が早すぎてひび割れの原因になるので、半分くらい。
こけしの素、ミズキの仕入れ

その後井桁に組んで、夏くらいまで乾燥させます。さらにその後、風通しの良い保管庫に移動させ、ちょうどよい具合になるまで乾燥。太さによりますが、細いもので1年。太いものは2〜3年は使えません。
こけしの素、ミズキの仕入れ

ずいぶん気の長い作業ですね。でもここがこけしを作る上で最も難しく、重要な仕事だと言えます。木を扱う仕事は木と対話する心が養われます。うまく対話できれば、それだけいいこけしができてくるんじゃないかなと思います。
こけしの素、ミズキの仕入れ
 

今はまだ井桁に組み、簡単な屋根をかけている状態です。雨などが降ったあとは水分が多くなるので、次の晴れには木がその水分を出そうとするようです。その時に出るミズキの香りがとってもいいんです!伐採後も木は生きているんですね。

そんなことを感じるのも、こけしの仕事の醍醐味です。

三代目 英之でした。

posted by KetaiPost

Design Yourself シリーズ 一部販売休止のお知らせ

人気をいただいている、Design Yourself 白木こけしシリーズですが、一部販売休止のお知らせです。

 

東日本大震災の影響で、こけしの材料のミズキが入手困難となっております。

販売を継続する3寸こけしも、定価販売となります。何卒ご理解をお願い申し上げます。

 

復旧活動が落ち着き、木材が安定して手に入るようになりましたら、また新しい形で再開したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

こけしの生まれ

 こけしは、いつ・どこで・なんのために生まれたのか?とはよく言われることですが、みなさんはどう思いますか?
 今日はこけしの誕生について、改めて考えてみたいと思います。

こけしはいつ生まれた?

時は明治。開国した日本に外国製のおもちゃが輸入され、こけしは絶滅の危機を迎えます。
ということは、それ以前からこけしが存在したことは確かですが、最初のこけしの生年月日ははっきりわかっていません。
江戸時代以前には作られていたことはわかっていますが、その頃のこけしはほとんど残っていないそうです。もしどこかで見る機会があったら、それは大変貴重なチャンスですね!

こけしはどこで生まれた?

  東北地方の産業は農業が中心でした。そして冬になると雪に閉ざされ、農閑期という時期があります。
田んぼや畑仕事はできないし、外は雪だし・・・だからといって休んでばかりいないのが東北人。
農閑期にできる仕事を作り出しました。東北の各地では、農閑期に発達した文化が存在します。こけしなどの民芸品は、農閑期の副業としての存在意義が大きかったようですね。こけし工人の最初は兼業農家だったと言えると思います。

「こけしは冬の間もよく働くまじめな農家のおじさんから生まれた!」と推測します。

こけしはなんのために生まれた?

湯治場のおみやげとして誕生したとか、子供のおもちゃに与えたとか、諸説あります。どれも間違いないことだと思いますが、やはり農閑期にかかわっている様な気がします。

東北では昔から「湯治」という、農閑期に温泉で疲れや傷をいやす文化がありました。
東北ではあちこちで温泉が湧いています。湯治は、自炊しながら長期間滞在するのがふつうだったので、大きな温泉ではたくさんの人が集まったんでしょう。 そうなればお店が繁盛するのも想像がつきます。そこでこけしのような人形が並んでいた、そんな光景を僕は想像します。

留守番の孫さんへのお土産にこけしを選び、時にはマッサージ器具としてこけしを肩や背中に当てたという話を聞いたことがあります。このエピソードだけでも、こけしが子供のおもちゃであり、温泉地のお土産として作られていたことがわかりますね。

今のこけし

今は全国民がとっても忙しい時代になったので、湯治をするような習慣は一部に残るだけのようですが、いいですよね~冬の間は仕事はお休みで、温泉地でバカンス!まるでヨーロッパのようです。 日本にもそんな習慣が復活することを願います(笑)

毎日仕事が忙しい方がほとんどだと思いますので、時々温泉地に旅行することもままならない時代になりましたが、そんな中だからこそこけしを時々眺めて、心癒されるひとときが貴重なのかもしれませんね!

そう考えるとこけしの役割も新時代になってきたのかもしれません。

三代目英之

 

平成25年度のご挨拶

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 早いもので、平成25年も新年度を迎えました。
こんにちは!三代目佐藤英之です。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

わが木地処さとうの家族は今年でこけし人生102年目に入ります。
初代の誠さんが9歳で弥治郎の小倉嘉三郎さんに弟子入りして、それから102年。
その間に第二次世界大戦や、東日本大震災があって何度もピンチに立たされながらもこうやってこけしを作り続けることができています。ひとえにこけしファンのみなさんの暖かい応援のおかげです。ありがとうございます。

さて、その東日本大震災から丸2年が経過して、私たちも一時移転先の群馬県から福島へ帰って1年が経ちました。
福島は津波や原発など諸問題があって、時間がたつほどに復興の難しさを感じざるを得ません。
でも自分たちにできることは、こけしを作って明るく生きていくことだけです。
今年度も精一杯頑張っていきたいと思います!


さて、今年から新しい家族が仲間入りすることになりました!
私、三代目佐藤英之が4月21日に結婚式を挙げる運びとなりましたので、ここでご報告いたします。
今後は夫婦で三代目として、より身近に感じていただけるこけしを作っていきたいと思います。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

三代目 佐藤英之

店長よりご挨拶

木地処さとうは、昭和元年創業、伝統こけし製作工房です。
弥生時代より伝わる伝統の技法を守り、かつ現代に愛されるこけしを作ることが私たちの誇りです。
材料となる木材は全て国産天然木を使用。『時間・手間・工人の思い』をたくさん込めた製品を作ることにこだわり続けています。

木地処さとうが求め続ける伝統こけしとは

昔、こけしといえばどこの家にも1本や2本は必ずあるものだ、というのが定説でしたが、現在ではあまり身近に触れることも少 なくなりました。それに加えて、家の省スペース化がすすみ、こけしのような飾り物を置く場所がないという方も多いのではないでしょうか。私たちは、今までこけしは飾るものだというイメージを変えるべく、伝統こけしの技を生かした楽しい細工物も多く製作しています。作品集のこけし印鑑に代表 されています。ぜひご覧下さい。
もちろん昔ながらの伝統こけしも製作しています。楽しい細工物などからこけしの面白さが伝われば幸いです。

極小こけし

極小こけし

佐藤誠孝は3人の先達と実父・誠を含む二人の師匠よりその数90にも及ぶ、様々な古型を継承。 自分のこけし作りもさることながら、偉大な伝統こけしの美しさと姿形の広がりを今に伝えるため、手のひらに乗るほどの極小の技に挑戦して復元を手がけてきました。
その小さな寸法には、伝統こけしの魅力の一つである可愛らしさが倍加されて、この上ない趣が秘められています。ぜひこの機会にあなたのコレクションにお加え下さい。

極小こけし2

伝統こけしを作り始めて以来、遺作の復元に力を注いできましたが、制作活動20年を契機に先代の偉業を一堂に会し、その多彩さを理解してもらいたく、90種類を三寸(9cm)にまとめてみました。
そして、さらにその半分の大きさの一寸五分(4.5cm)を手がけましたが、この寸法にしたことによって伝統こけしの魅力がいっそう引き立ち、可愛らしく奥深い世界ができたと思います。
佐藤誠孝の談話

極小こけし3

極小の技の世界は、こけしを作る上では通常の寸法のものの場合とはまた違った神経の研ぎ澄まし方や細やかな手間を惜しまない努力が随所に必要とされます。
一寸五分という、ここまで小さな寸法でしかも本格的なロクロ挽きと描彩を行うのは、実際、並大抵のことではなく、伝統こけしの工人があまたいるとはいえ、手がける人はめったにいません。
しかし、一方で誠孝のように逆に使命感に促されながらその世界に挑み、成功させたことをご理解いただきたいと思います。

 

赤ちゃんがかごでネンネ。ねむりえじこ

赤ちゃんがかごでネンネ。ねむりえじこ

 

「えじこ」 「えじこ」 とは、昔東北の農家では当たり前に見られた姿です。
子守をしながら農作業をしていた農家の方々が、子供をそばで寝かせておくためにわらで編んだあたたかいかご。それを「えじこ」と呼びました。そのわらは普通の稲を収穫した後のわらではなくて、まだ生えたばかりのふわふわのやわらかい稲藁で編んだそうです。とてもあたたかく、やわらかい安心できる場所だったに違いありませんね。
ねむりえじこは、そんなあたたかい藁のかごで安らぐ赤ちゃんを表現して作られています。まるで生きているようにかわいらしく動く姿を動画でご紹介しています。ぜひご覧くださいね。
 

 

 

マラカスこけし(ガラ入りこけし)

マラカスこけし(ガラ入り・頭部小豆入り)

マスカラこけしムービー

普段は普通のこけしなのに、ちょっと振ってみると、マラカスのような小気味のよい音が聞こえてくるのが「ガラ入りこけし。」 これは頭部をくり抜いて、小豆を入れることで中でこけしと響きあって音がでる特別な細工なのです。

ガラ入りこけしの作業工程をご紹介しましょう(^ω^)

(この工程は伝統こけし工人佐藤英之のものですので、他の工人のものとは異なります)

作業工程1

まずよく乾燥させたイタヤカエデの木を丸く加工して、細い下穴を開けておきます。 穴を開けるのには右写真のような特殊な曲がったかんな棒を使用します。 作業工程1 作業工程1

作業工程2

ロクロに材料をかけて、かんな棒で穴を広げていきます。 かんなくずがすっごくたくさん出ます!!普通のこけしの3倍は出てるはずです。 作業工程2 作業工程2

作業工程3

穴を掘り終わると、いよいよ小豆の登場。今回の8寸5分のこけしの場合だと、大体20~25個くらい入れます。 作業工程3 作業工程3

作業工程4

そして穴を閉じる為のふたを作ります。これが結構難しい。ぴったりあわすには何度もくり返しやってみるしかありません。 作業工程4 作業工程4

作業工程5

もう一度ロクロにかけて、頭の形にしていきます。そしてロクロ線を入れると、木地挽き完成! どうですか?とても中がくり抜いてあるようには見えないでしょう?ここが代々受け継がれた伝統の技なのです。 そして描彩をほどこし、仕上げをすると、ガラ入りこけしの完成! 作業工程5 作業工程5

 

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